日暮里は「買い」なのか?8年で1.68倍、23区側で3番目に速い(2026年9月)
日暮里は荒川区の駅で、JR3線・京成本線・日暮里舎人ライナーが集まる。京成のスカイライナーで成田空港に直通し、舎人ライナーの起点でもある。
派手さのない乗換駅だが、地価の伸びでは12駅中3番目に入っていた。
まず数字でざっくり掴む
| 指標 | 値 | 補足 |
|---|---|---|
| 公示地価 最高地点 2025 | 262.0万円/㎡ | 東日暮里5丁目51番12(駅200m) |
| 前年比 2025 | +15.9% | 12駅で2番目 |
| 8年間の伸び 2018→2025 | 1.68倍 | 12駅で3番目 |
| コロナ年(2021)の前年比 | -3.0% | 上野-4.0%より浅い |
| 425m以内の住宅地の地点 | 0か所 | すべて商業地 |
| 所在 | 東京都荒川区 | 東京駅まで約11分 |
隣の上野が1.55倍のところ、日暮里は1.68倍になる。単価では上野の245万円/㎡に対して262万円/㎡と、わずかに上回っている。
上野より速く、深く沈まなかった
2021年の-3.0%が唯一のマイナスで、上野の-4.0%より浅い。2025年は+15.9%まで戻していて、これは12駅で北千住の+23.2%に次ぐ2番目になる。
隣接する2駅で、沈みの深さと戻りの速さが違う。上野は観光と商業の街で、日暮里は乗り換えと住宅の街になる。外から来る人への依存度の差が、そのまま数字の差になっている。
12駅の中で3番目。上位の北千住・赤羽と同じグループに入る。
2地点とも同じ容積率700%
公示地点は2つで、どちらも容積率700%の商業地になる。東日暮里5丁目が156万円から262万円で1.68倍、西日暮里2丁目が82.4万円から134万円で1.63倍。
| 地点 | 用途 | 駅から | 容積率 | 前面道路 | 2025年 | 8年の伸び |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 東日暮里5丁目51番12 | 商業地 | 200m | 700% | 20.0m | 262.0万円/㎡ | 1.68倍 |
| 西日暮里2丁目417番9 | 商業地 | 200m | 700% | 8.2m | 134.0万円/㎡ | 1.63倍 |
条件がよく似た2地点で、違いは前面道路の幅だけになる。20メートルと8.2メートル。駅からの距離は両方とも200メートルで同じ、容積率も同じ700%。それで単価が1.96倍違う。
このシリーズで何度も出てきた話が、ここではきれいな対照実験の形で現れている。距離も容積率も同じなら、残る差は道路の幅になる。
この街のリスク
ひとつ目は、地点の少なさになる。公示地点が2つでは、街全体の傾向とまでは言えない。
ふたつ目は、加速の持続性になる。+8.7%から+15.9%へ上げ幅が広がっている。北千住や赤羽と同じ形で、止まったときの反動は想定しておくべきになる。
みっつ目は、住宅地のデータがないことになる。この範囲では住むための土地の目安が取れない。舎人ライナー沿線まで出れば住宅地の選択肢はあるが、それは別の街の話になる。
総合所見:上野の隣で、上野より数字がいい
日暮里は上野の隣駅で、単価もほぼ同じ水準にある。それでいて8年の伸びは上、コロナの下げは浅い。数字だけを見れば、上野より日暮里のほうが良い。
理由は依存先の違いにある。観光と商業に寄りかかる上野に対し、日暮里は乗り換えと住宅の需要が下支えしている。派手ではないが、崩れにくい。
投資として見るなら、同じ距離・同じ容積率で1.96倍の差がつく前面道路の条件を必ず確認することになる。ここを外すと、同じ「日暮里徒歩3分」でも結果がまるで変わる。
データについて
出典は国土交通省「不動産情報ライブラリ」の地価公示・地価調査のポイントになる。日暮里駅の中心から半径425メートル以内の地点を使い、折れ線と横棒は基準日の揃う公示(1月1日基準)だけで作っている。地価調査(7月1日基準)は基準日が違うので混ぜていない。 日暮里は公示地点が2か所のため、記事中の数値はその2点に基づく。
公示地価は実際の売買価格ではなく、国が選んだ標準地について不動産鑑定士が評価した価格になる。
地価データで街を読む特集はこちらにまとめています。各駅を地図で比べたい場合は土地の値段はなぜ違うから。