ゲリラ豪雨と線状降水帯は何が違うのか。規模と続く時間で分ける
夏の大雨のニュースで、ゲリラ豪雨と線状降水帯という言葉が並んで出てくることがある。どちらも短時間の大雨を指しているように見えるが、起きていることの規模が違う。
出発点は同じ積乱雲
どちらも積乱雲が降らせる雨になる。暖かく湿った空気が持ち上げられ、上昇して冷え、水滴になって落ちてくる。この基本は共通している。
違いは、その積乱雲が何個あって、どれだけ同じ場所に居座るかになる。
ゲリラ豪雨は単発の積乱雲
いわゆるゲリラ豪雨は、正式な気象用語ではなく、報道などで使われる言い方になる。気象庁は局地的大雨という表現を使う。
特徴はこうなる。
・原因は基本的に1個から数個の積乱雲
・降る範囲は数キロから十数キロ程度と狭い
・続く時間は数十分から1時間程度
・積乱雲の寿命がそのまま雨の寿命になる
積乱雲は生まれてから消えるまでおよそ1時間で、雨を降らせながら自分の冷たい下降気流で足元を冷やし、燃料である暖かい湿った空気の供給を絶ってしまう。だから単発では長続きしない。
急に空が暗くなり、激しく降って、しばらくすると晴れる。あの経過は積乱雲1個の一生をそのまま見ていることになる。
線状降水帯は積乱雲の列
線状降水帯は、積乱雲が次々に生まれて列をつくり、同じ場所を通り続ける状態になる。
・原因は多数の積乱雲。1個が消えても風上側で次が生まれる
・降る範囲は長さ50キロから300キロ、幅20キロから50キロ程度
・続く時間は数時間から半日
・同じ細長い帯に、雲が通るたびに雨が積み重なる
雲1個あたりの雨は局地的大雨と大差なくても、それが何十個も同じ場所を通れば話が変わる。3時間で100ミリを超え、200ミリ、300ミリに達することがある。
なぜ列が止まって見えるのかは線状降水帯はなぜ同じ場所から動かないのかに書いた。条件を変えて再現できるシミュレーターも置いてある。
危険の質が違う
規模が違うので、警戒すべきものも変わる。
局地的大雨で起きやすいのは次のようなものになる。
・道路や地下街の冠水。排水が追いつかない
・中小河川の急な増水。上流で降った雨が数十分で下流に届く
・アンダーパスの水没
雨が上がっても、上流の雨が流れてくるので川は危険なままになる。晴れているのに増水する、というのはこの構造から起きる。
線状降水帯で起きやすいのはこちらになる。
・土砂災害。長時間の雨で地中に水がたまる
・大きな河川の氾濫
・広い範囲での浸水
土砂災害は総雨量が効くので、短時間の激しさより、どれだけ降り続いたかが問題になる。線状降水帯が危険視されるのはこの点になる。
予測のしやすさも違う
もうひとつ実務的な違いがある。
局地的大雨は、いつどこで積乱雲が発達するかを事前に絞り込むのが難しい。数キロ単位の現象なので、予報として出しにくい。雨雲レーダーで発達しはじめた雲を見つけて、数十分先を見るという使い方になる。
線状降水帯は、大量の水蒸気の流入や持ち上げの条件がある程度予測できるので、半日前から可能性を伝える情報が出るようになっている。ただし、どこにできるかを正確に当てるのは今も難しい。
身の守り方
どちらにも共通するのは、雨雲レーダーを自分で見る習慣になる。
・発達した雨雲がどこにあり、どちらへ動いているかを見る
・自分のいる場所の上流で降っていないかを確認する
・地下や半地下、アンダーパスから離れる
・川や用水路の様子を見に行かない
見に行って流される事故が毎年起きている。増水の確認は現地ではなく、河川監視カメラなどで行う。
📘 急な停電で情報が途切れないように、Anker Power Bank 10000mAh。
まとめ
・どちらも積乱雲が原因。違いは雲の数と、同じ場所に居座る時間
・局地的大雨は単発の積乱雲で、範囲は数キロ、時間は1時間程度
・線状降水帯は積乱雲の列で、長さ数百キロ、数時間から半日続く
・局地的大雨は冠水と中小河川の急増水、線状降水帯は土砂災害と大河川の氾濫が主な危険
・雨が上がっても上流の水が来る。川の様子を見に行かない
・実際の警報や避難情報は気象庁と自治体の発表に従うこと
※本記事にはアフィリエイト広告を含みます。