王子は「買い」なのか?8年で1.64倍、赤羽の隣で静かに上がる街(2026年9月)
王子は東京都北区の駅で、JR京浜東北線・東京メトロ南北線・都電荒川線が集まる。区役所の最寄り駅で、北区の中心という位置づけになる。
同じ北区の赤羽と比べると話題になりにくい駅だが、地価の伸びでは9駅の3番目に入っていた。
まず数字でざっくり掴む
| 指標 | 値 | 補足 |
|---|---|---|
| 公示地価 最高地点 2025 | 205.0万円/㎡ | 王子1丁目13番24(駅280m) |
| 前年比 2025 | +15.2% | 9駅で3番目 |
| 8年間の伸び 2018→2025 | 1.64倍 | 北千住2.15倍、赤羽1.79倍に次ぐ |
| 425m以内の公示地点 | 2か所 | いずれも商業地・容積率600% |
| 所在 | 東京都北区 | 東京駅まで約20分 |
赤羽の470万円/㎡に対して205万円/㎡で、単価は半分以下になる。それでいて伸びは1.64倍と1.79倍で、差は小さい。
赤羽ほどではないが、確実に速い
2つの公示地点はほぼ同じ形で動いている。125万円が205万円へ、98.2万円が159万円へ。どちらも1.6倍台になる。
9駅の中で3番目の位置につけている。上位2駅(北千住、赤羽)と下位の埼玉勢の間に、王子がいる形になる。
コロナの下げは1年で終わった
2019年+10.4%、2020年+12.3%と走り、2021年に-2.6%。翌年から+2.0%、+5.8%、+9.2%、+15.2%と加速している。
下げたのは1年だけで、池袋のような2年連続の下げにはならなかった。繁華街の色が薄く、区役所や事業所の需要が下支えしている街だと読める。
買える土地が商業地しかない
駅から425メートル以内の公示地点は2つで、どちらも商業地域・容積率600%になる。住宅地の標準地は入っていない。
| 地点 | 用途 | 駅から | 容積率 | 前面道路 | 2025年 | 8年の伸び |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 王子1丁目13番24 | 商業地 | 280m | 600% | 30.0m | 205.0万円/㎡ | 1.64倍 |
| 王子1丁目6番15 | 商業地 | 250m | 600% | 30.0m | 159.0万円/㎡ | 1.62倍 |
条件はほとんど同じで、距離も30メートルしか違わない。それで単価に1.29倍の差がつく。国道沿いか都道沿いかという接する道路の違いが効いている。
地点が2つしかないので、この駅については距離と価格の関係を統計として語れない。データが薄いことは、そのまま書いておく。
この街のリスク
ひとつ目は、地点数の少なさになる。2地点では街全体の傾向とは言いにくい。判断するなら、実際の売買事例を別途あたる必要がある。
ふたつ目は、住宅地のデータがないことになる。住むために買う場合の目安が、この範囲からは取れない。
みっつ目は、加速の持続性になる。+9.2%から+15.2%へ上げ幅が広がっている。北千住や赤羽と同じ形で、止まったときの反動は考えておくべきになる。
総合所見:赤羽の陰に隠れた、同じ流れの中の駅
王子は赤羽と同じ北区で、同じ京浜東北線で、同じように上がっている。単価は赤羽の半分以下だが、伸び率の差は小さい。
「赤羽は高くなりすぎた」と感じる人にとって、王子は同じ流れの中でまだ手が届く水準にある。ただしデータが2地点しかないので、この記事の数字は目安にとどまる。
投資として見るなら、商業地しか選択肢がない点に注意がいる。住むために買うなら、駅から少し離れた住宅地を別途調べる必要がある。
データについて
出典は国土交通省「不動産情報ライブラリ」の地価公示・地価調査のポイントになる。王子駅の中心から半径425メートル以内の地点を使い、折れ線と横棒は基準日の揃う公示(1月1日基準)だけで作っている。地価調査(7月1日基準)は基準日が違うので混ぜていない。 王子は公示地点が2か所と少ないため、記事中の数値はその2点に基づく。
公示地価は実際の売買価格ではなく、国が選んだ標準地について不動産鑑定士が評価した価格になる。
地価データで街を読む特集はこちらにまとめています。9駅をまとめて比べたい場合は土地の値段はなぜ違うから。