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モバイルバッテリーは何Whあれば足りるか。家族の人数と日数から決める

停電に備えてモバイルバッテリーを買おうとすると、10000mAhと20000mAhのどちらを選ぶかで手が止まります。数字が大きいほうが安心なのは分かるとして、では10000mAhで何日しのげるのか。この問いにmAhのままでは答えられません。

mAhでは足りるかどうか判断できない

モバイルバッテリーの10000mAhと、スマホの4000mAhは、同じ単位に見えて直接は比べられません。表記されているmAhは電池セル基準の値で、実際に取り出せる量ではないからです。

比較するにはWh、つまりワット時に揃えます。リチウムイオン電池の公称電圧は3.7Vなので、換算はこうなります。

Wh = mAh × 3.7 ÷ 1000

10000mAhなら37Wh、20000mAhなら74Whです。スマホが4000mAhなら14.8Whなので、単純計算では10000mAhのバッテリーでスマホ2.5回ぶんに見えます。

ところが実際はここから目減りします。バッテリーから取り出した電気を5Vに昇圧し、スマホ側で再び電池電圧に降圧するとき、熱として失われるぶんがあるからです。変換効率はおよそ65パーセント前後で、10000mAhのバッテリーで満充電にできるのは、実際にはスマホ1.6回ぶんほどになります。

カタログのmAhをそのまま信じると、思ったより早く空になります。

必要な量を逆算する

必要なWhは次の式で出ます。

必要Wh = スマホの容量mAh × 3.7 ÷ 1000 × 1日の充電回数 × 日数 × 台数

たとえば4000mAhのスマホを2台、1日1回充電で3日ぶんなら、14.8 × 1 × 3 × 2 で88.8Whです。ここに寒さによる目減りと余裕を2割ずつ見ると、およそ107Whになります。

10000mAhのバッテリーが37Whなので、3個ぶんに相当します。20000mAhなら2個弱です。「家族ぶんに10000mAhを1個」では、停電が丸一日続いた時点で足りなくなる計算です。

条件を入れて計算するなら、モバイルバッテリー必要容量の計算機を用意しました。台数と日数を入れると、必要なWhと製品表記のmAh、そして買うべきクラスまで出ます。

飛行機に持ち込めるかも同時に決まる

容量を決めるときに一緒に確認しておきたいのが、航空機の制限です。

・100Wh以下なら、原則として個数制限なく機内に持ち込めます
・100Whを超えて160Wh以下は、航空会社の承認が要り、通常2個までです
・160Whを超えるものは、持ち込みも預け入れもできません

いずれの場合も預け入れ手荷物には入れられず、必ず機内持ち込みにする必要があります。

先ほどの107Whという計算結果は、ちょうど承認が要る帯に入ります。旅行にも使うつもりなら、1個で大容量を狙うより、Anker Power Bank 10000mAhのような37Whクラスを複数持つほうが扱いやすくなります。1個が壊れても全滅せず、家族で分けて持てるという利点もあります。

充電速度を優先するならAnker Nano Power Bank (10000mAh, 45W)のように出力の大きいものを選ぶ手もあります。停電中は充電できる時間が限られるので、短時間で入る製品のほうが結果的に有利です。

容量より先に決まってしまうこと

ここまで容量の話をしてきましたが、停電で最初に尽きるものは必ずしも電力ではありません。水が先に切れることも、明かりが先に尽きることもあります。

自分の家がどこから崩れるかは、停電もちこたえシミュレーターで人数と備蓄を入れると出ます。電力・水・食事・明かりの4系統のうち、いちばん短いものがその家の寿命になります。バッテリーだけ揃えても、そこが伸びなければ意味がありません。

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