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国際会議のポスター発表で何を話すか。30秒・3分・10分を用意しておく

初めてのポスター発表で困ったのは、話す内容そのものより、どのくらいの長さで話せばいいのか分からないことだった。立ち止まった人が5秒で去ることもあれば、15分議論することもある。相手の滞在時間はこちらでは決められない。

だから長さの違う説明を先に用意しておく、というのが結局いちばん効いた。

3つの長さを準備する

・30秒。タイトルの前で足を止めた人に、何をやったかだけ伝える
・3分。関心を持って向き合った人に、問題、やったこと、結果を通しで伝える
・10分。議論する気のある人と、手法の詳細や限界まで話す

30秒版がいちばん重要になる。これが伝わらないと3分に進まない。逆に30秒で相手の目的と合わなければ、お互いの時間を使わずに済む。

30秒版の型はこうなる。何を解こうとしたか、既存の何が足りなかったか、自分は何をしたか、結果はどうだったか。これを4文で言えるようにしておく。

ポスター自体の作り方

説明のしやすさは、ポスターの構造で決まる部分が大きい。

・タイトルは遠くから読める大きさにする。会場は人が多く、正面に立てないことが多い
・図を主役にする。文章は補足に回す。読ませるのではなく、指させるようにする
・結論を上のほうに置く。下まで読ませる前提だと伝わらない
・番号を振る。話しながら順番に指せると、相手も追いやすい

指で追える構造になっていると、説明が自然に整理される。話す順番とポスターの流れが一致していないと、自分でも迷う。

図版の解像度で悩んだら論文図版のdpiチェッカーポスター解像度計算機を置いてあるので使ってほしい。印刷して文字がつぶれる事故は、事前の確認で防げる。

立ち位置と姿勢

細かいが効く点がいくつかある。

・ポスターの横に立つ。前に立つと自分が図を隠す
・座らない。座っていると声をかけにくい雰囲気になる
・視線を上げておく。手元を見ていると誰も止まらない
・飲み物を持っておく。数時間しゃべり続けると声が持たない

会場によっては音が反響して聞き取りにくい。相手との距離を詰め、いつもより少しゆっくり話すだけで通じ方が変わる。

質問を引き出す

黙って聞いて去る人が多いと、発表の価値が半減する。こちらから質問を投げると議論が始まりやすい。

・「この設定で似た問題を扱っていますか」
・「この評価指標で気になる点はありますか」
・「実務ではどのくらいの規模を扱いますか」

聞かれて困る質問を先に自分から出してしまう、という手もある。限界を隠すより、認識していると示したほうが信頼される。

英語での質疑に不安があるなら、聞き返す表現をいくつか用意しておくと安心になる。分からないまま曖昧に頷くのがいちばんまずい。

持っていくもの

・ポスターのA4縮刷。持ち帰ってもらえる。裏に連絡先を印刷しておく
・二次元コードを刷ったカード。論文やコードのページに飛ばす
・ポスターのPDFを入れた端末。細部を拡大して見せられる
・ペンとメモ。もらった指摘はその場で書く

もらった指摘は、その場で書かないとほぼ忘れる。発表が終わってから思い出そうとしても、断片しか残らない。

終わったあとにやること

会期中に済ませておきたいことがある。

・話した相手の名前と内容をメモにまとめる
・その日のうちに、指摘された点を原稿の改善案として書き出す
・共同研究の話が出たら、帰る前に連絡手段を確定させる

ポスター発表の価値は、その場の説明より、そこから始まる関係のほうにあることが多い。

投稿から採録までの実務はIEEE Accessへの投稿で躓いた点APCと査読期間に書いた。締切の時差で混乱しないよう締切タイムゾーン時計も置いてある。

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まとめ

・30秒、3分、10分の3つの長さを用意する。相手の滞在時間は選べない
・30秒版が最重要。何を解き、何が足りず、何をして、どうなったかを4文で言う
・ポスターは図が主役。結論を上に置き、指で追える構造にする
・横に立ち、座らず、視線を上げておく
・こちらから質問を投げると議論が始まる。限界は自分から出したほうが信頼される
・A4縮刷と二次元コードを用意し、もらった指摘はその場で書く

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