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竜巻はなぜ起きるのか。ろうと雲を見たときにどう動くか

竜巻は海外の話だと思われがちだが、日本でも毎年発生している。台風の接近時や寒冷前線の通過時に、竜巻注意情報が出ることがある。仕組みと、実際に見たときの動き方を整理しておく。

発達した積乱雲の中で起きる

竜巻を生むのは、スーパーセルと呼ばれる特に発達した積乱雲になる。普通の積乱雲との違いは、雲全体がゆっくり回転していることになる。

回転が生まれる流れはこうなる。

・地表付近と上空で風向きや風速が違うと、空気に横向きの回転が生じる。転がる棒のような渦になる
・積乱雲の強い上昇気流が、その横向きの渦を持ち上げて縦向きに立ち上げる
・縦になった渦は、上昇気流に引き伸ばされて細くなり、回転が速くなる
・雲底から地面へ向かって渦が伸び、地面に達すると竜巻になる

細くなると回転が速くなるのは、フィギュアスケートの選手が腕を縮めると回転が速くなるのと同じ理屈になる。角運動量が保存されるので、半径が小さくなるぶん速度が上がる。

雲から垂れ下がる漏斗状の雲をろうと雲と呼ぶ。地面に達していない段階でも、渦はすでにできている。

日本での起きやすい条件

竜巻が発生しやすいのは、大気の状態が不安定で、上空と地表の風のずれが大きいときになる。

・台風の接近時。台風の中心から離れた外側の雨雲の帯で起きやすい
・寒冷前線の通過時
・秋の台風シーズンと、暖かい空気が入る時期

台風のときは風雨に気を取られがちだが、中心から数百キロ離れた場所で竜巻が起きることがある。台風の外側の雨雲は、風のずれが大きい領域にあたる。

海上で起きるものは水上竜巻と呼ばれる。海面から水が巻き上げられて柱に見える。

竜巻注意情報の意味

気象庁は竜巻注意情報を出しているが、これは特定の場所を指すものではない。

・意味は「竜巻などの激しい突風が発生しやすい気象状況になっている」
・対象は都道府県単位など広い範囲
・有効期間は1時間程度
・実際に発生する確率は高くない

つまり、この情報が出たからといって必ず竜巻が来るわけではない。ただし空の様子に注意を向ける合図にはなる。より細かい危険度は、竜巻発生確度ナウキャストで地図上の分布として確認できる。

前触れと、見たときの行動

竜巻が近づいているときに現れやすい兆候がある。

・真っ黒い雲が近づき、急に暗くなる
・雷鳴や雷光がある
・冷たい風が吹き出す
・大粒の雨やひょうが降り出す
・ゴーという音が聞こえる。飛行機や電車に似た音と表現される

ろうと雲や、地面付近で渦を巻く土ぼこりを見たら、すぐ行動する。

屋内にいる場合はこうなる。

・窓から離れる。窓を閉め、カーテンを引く
・雨戸やシャッターがあれば閉める
・建物の1階の、窓のない部屋へ移る。トイレや浴室、押し入れなど
・地下があれば地下へ
・机の下などで頭と首を守る

屋外にいる場合はこうなる。

・頑丈な建物へ避難する。プレハブや車庫、物置は避ける
・避難する時間がなければ、くぼ地や溝に伏せ、頭を守る
・電柱や樹木のそばから離れる。倒れてくる
・車の中は安全ではない。竜巻は車を持ち上げる

雷では車の中が安全だが、竜巻では逆になる。この違いは覚えておいたほうがいい。雷への対処は雷から身を守る方法に書いた。

窓を開けるのは意味がない

昔から言われている対処で、気圧差を逃がすために窓を開ける、というものがある。これは効果がないうえ、開けている間に飛来物が入るので危険になる。窓は閉めて離れるのが正しい。

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まとめ

・竜巻は発達した積乱雲の中で、横向きの渦が上昇気流に立ち上げられて生まれる
・渦は引き伸ばされて細くなるほど回転が速くなる
・台風の外側の雨雲や、寒冷前線の通過時に起きやすい
・竜巻注意情報は広い範囲への注意喚起で、場所を特定するものではない
・ゴーという音、急な暗転、冷たい風、ひょうは前触れになりうる
・屋内では窓のない1階の部屋へ。屋外では頑丈な建物へ。車の中は安全ではない
・窓を開けるのは効果がなく危険。閉めて離れる
・実際の情報は気象庁の発表を確認すること

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