台風の目に入ると本当に晴れるのか。いちばん危険なのは目のすぐ外側
台風の中心が通過している最中に、急に風がやんで空が明るくなることがある。台風の目に入った状態で、実際に青空が見えることもある。ただしこれは終わりではなく、いちばん危険な場所に挟まれた数十分でしかない。
目はなぜできるのか
台風は中心に向かって空気が吹き込み、上昇して雲を作る渦になっている。ところが中心のごく近くでは、回転が速すぎて空気が内側まで入りきれない。
・遠心力が強く働き、空気は中心へ最後まで届かずに手前で上昇する
・その結果、中心では上から空気が下りてくる下降流が生じる
・下降する空気は圧縮されて温度が上がり、雲が蒸発して消える
これが目の正体になる。雲がないので上空が見え、風も弱い。目の直径は数十キロ程度のことが多く、発達した台風ほど輪郭がはっきりする。衛星画像で目がくっきり見える台風は、たいてい勢力が強い。
危険なのは目の壁雲
目のすぐ外側には、壁のように切り立った積乱雲の輪がある。目の壁雲と呼ばれる部分で、ここが台風の中で最も風が強く、雨も激しい。
つまり目に入るということは、最悪の領域を一度通り抜けたという意味でしかない。目が過ぎれば、もう一度反対側の壁雲が来る。しかも風向きは逆になる。
これが厄介で、次のような事故につながる。
・風がやんだので外に出て片付けを始め、数十分後の暴風に巻き込まれる
・行きの風で耐えた仮設物が、反対向きの風であっさり倒れる
・一度めくれかけた屋根材が、逆向きの風で完全に飛ぶ
構造物は一方向の風には耐えても、逆向きに揺さぶられると弱い。目が抜けたあとのほうが被害が出る、という話は珍しくない。
静かな時間に何をするか
目に入ったと判断できる状況なら、原則は屋内にとどまることになる。どうしても動くなら、次の順番で考えたい。
・まず、あとどれくらいで風が戻るかを確認する。台風情報で中心の位置と速度を見る
・屋外に出るのは、命に関わる用件に限る。片付けは後でいい
・出るなら反対向きの風を想定する。今まで風下だった側が、次は風上になる
なお、目に入らずに中心が近くを通過するだけの場合でも、風が一時的に弱まることがある。目のない台風や、目が不明瞭な台風のほうが多いので、静かになったからといって目に入ったとは限らない。
目の壁雲は入れ替わることがある
発達した台風では、外側にもうひとつ壁雲ができて、内側の壁雲を締めつけて消してしまう現象が起きる。二重壁雲や壁雲の置き換わりと呼ばれる。
このとき、台風は一時的に勢力を落とす。ただし置き換わりが終わると目が広がり、再び強まることがある。予報で「いったん弱まるが再発達の見込み」と出るのは、こうした事情が絡んでいることがある。
勢力がどんな条件で変わるのかは、実際に動かしてみると感覚がつかめる。海面水温や太平洋高気圧を設定して台風を育てられるシミュレーターを置いてある。
📘 通過中に停電したとき、両手が空く明かりがあると安全に動ける。Lepro 充電式LEDヘッドライト 300ルーメン。
まとめ
・目は中心で空気が下降することでできる。雲が消えるので晴れて見え、風も弱い
・目のすぐ外側の壁雲が、台風で最も風が強く雨も激しい場所になる
・目を抜けると反対向きの暴風が来る。行きに耐えた物が帰りに壊れることが多い
・静かになっても屋内にとどまるのが原則。片付けは通過後でいい
・最新の台風情報は必ず気象庁と自治体の発表を確認すること
※本記事にはアフィリエイト広告を含みます。